2025年4月20日日曜日

Kimball Piano Salon 梅田のご紹介

 Kimball Piano Salonのご紹介



大阪梅田にある「音楽家による音楽家や音楽愛好家の為の小さな音楽空間です。

ヒストリー;楽器屋さんの音楽教室に厭いて、独立したのが始まりです

2001年に私達が音楽スタジオ/教室の立ち上げを考えた時、純粋にビジネスとして考えれば、楽器屋さんや他業界が経営されるような大資本によるスタジオ/教室の方が有利とは解りました。
しかし、私達が独立し、音楽スタジオ/音楽教室を立ち上げたい、と考えるようになった動機は、実は音楽にも楽器にも興味がなく、売り上げだけが問われる楽器屋さんの音楽教室に、満足できなくなったからです。 「もっと、じっくり教えたい」と「販売店としての都合ではなく、本当に良いものだけを使いたい」という音楽講師/演奏者としての要求が独立して自分たちの「音楽の場」を持ちたいと考えた次第です。 そういう想いから2001年に現住所にて旧「AI Music Salon」を開業し、当時は「アコースティックとデジタル(AI)の融合」を課題にで、楽器メーカー直での音楽ソフト開発やディレクション、やがて私達の音楽である「Lounge Music~Lounge Jazz」をコンセプトに音楽空間演出を始めました。 その為の演奏者育成としての音楽教室を始めましたが、2008年に、実は他用(あるホテルのラウンジ設置用)に用意していた「米国製Kimball グランドピアノ」を自分達で使う事になり、それを機会に屋号を「キンボール・ピアノ・サロン」へと変更しました。

Kimball Piano が教えてくれたもの

Kimball は、スタインウェイよりも古い19世紀の半ばに創業されたピアノとオルガンのメーカーですが、決してプロ用高級機種ではない、日本のヤマハやカワイに相当する「家庭やカフェ用」の普及品ブランドです。

もっとも同じ「普及品」といっても国産のヤマハやカワイと、米国のキンボールやボルドウィン等はピアノとしての開発思想が異なり、優劣では比較できません。 国産がいわばユニクロ等で2万円で買える「よくできた安いスーツ」だとすれば、米国製はズバリ「二万円の高品質のジーンズ」という感じ。


「用途」が異なる、ともいえますが、「良い音楽の為の道具」として開発された点は同じ。 ちにみに1950~70年代にキンボール社はウィーンのベーゼンドルファーを、ボルドウィン社はドイツのベヒシュタインを夫々傘下に収め、それらの名門ピアノの設計技術を自社製品に取り込みました。例えば当練習室に設置されたKimballグランドピアノは、当時のベーゼンドルファーの同型をコピーして作られています。

勿論、ベルベットのようなベーゼンドルファーと、雑に木綿のようなKimballの品質は全く異なりますが、むしろ「一見、高級スーツ風の、安いスーツ」というべきユニクロ的な物にならず、良きも足しきも「ジーンズ」のようなピアノになるのが面白い所です。 ところで誤解される事が多いのですが、米国製普及品クラスのピアノは「クラシックピアノ向きではない」と言われるようですが、これは誤りです。 勿論、ジャズやブルース、ロックにも合いますが、ショパンやベートーヴェンのようなクラシックにも米国製ピアノは合います。 KImballについては、1980年代以後に大きく仕様変更されたベーゼンドルファーではなく、昔日のベーゼンドルファーの面影が感じられます。実際、当時のベーゼンドルファー同様に「シュワンダー・アクション」が用いられ、いわゆる「弾きやすい」タッチではありませんが、「音を造れる」タッチであり、戦前のヨーロッパ製ピアノのようです。 或いは一言にいえば、「19世紀の、シューマンやショパンが在世当時のピアノの雰囲気」を遺している、むしろ「スタインウェイ」が例外的に近代的であった、と言えましょう。 ヤマハやカワイ等は、戦後、スタインウェイを模倣する事で、いわば「ユニクロのスーツ」的なピアノを大量生産する事に成功した訳で、ヤマハやカワイの長所を上げれば、メーカーとして巨大資本を有し、アップライトからフルコンまでを、比較的安価、かつ、工業製品として極めて高いレベルで生産できた点を指摘できます。 逆に欠点をあげれば「自発的な音楽性」が感じられない、と思います。つまりKImballに限らず、他の欧米ブランドが「音楽はこう響きねばならない」という音楽感性から楽器を作り始めているに対し、ヤマハやカワイは「いかにしてスタインウェイ的なピアノを安く、しかし高品質に生産するか」という発想から作り始めているように感じます。 したがってジャズにも合うとも、合わない、とも言えますが、クラシックにも合う、とも合わないといえます。端的にいえば、何を弾こうがハノンを弾いているように聴こえてしまいます。 スタインウェイやベーゼンドルファー、ベヒシュタイン等の欧米の一流ブランドが良いのは当然として、ヤマハやカワイと同等以下の米国の普及品ピアノでも、工業製品としての完全性は期待できないにせよ、「音楽性」という観点では、リーバイスやリーのジーパン同様の良い味わいを持っている、思います。 勿論、私達は、決してKImballだけを弾いている訳ではなく、内外に色々なブランドのピアノを弾いていますが、米国普及品ブランドの魅力を知り、また多くの人にそれを伝えたい、と思いました。

カフェ・ジャズとサロン・クラシックが音楽教室のコンセプト 

さてKImballを練習室設置のピアノとした事が「音楽教室」としての方向にも影響がありました。 旧「AI music Salon」時代は、「アコースティックとデジタルの融合」をコンセプトにし、機材的にも、ある意味、音楽的にも「ハイテク」を目指しましたが、「Kimball Piano Salon」に屋号を変更した際、名前だけでなく内容も自然と変わっていきました。 これはピアノの影響というよりは、当時、集まった若い生徒さんからの要望から、ジャズピアノにおいては、メカニカルなピアノ技法や冷たいサウンドではなく、20世紀初頭の「ラグタイムピアノ」を起点とする、レトロな「Vintage Swing」と呼ぶことになる1920~40年代のジャズを範疇に収めました。 また、これも生徒さんや、音楽/音楽演出をしていたホテル等からの要望で「サロンクラシック」の「演奏者」養成や、趣味で学びたい人を対象とする「クラシックピアノ科」が設けられました。 「ゆっくり弾けばよい」というものでは全くありませんが、「コンクールを目指しての、ピアノ競技なような演奏」ではなく、「歌う指」であり「美しく響く和音」が重視されるピアノ奏法を求めました。音色やフレーズを作る事を楽しむのが、普及品といえど米国製ピアノだから可能でした。 加えてニューヨークのジャズ教育家であるリー・エバンス先生との邂逅や、歴史的ジャズピアニストで教育家であるバリー・ハリス氏の、日本での取次者である三上クニ氏との邂逅、 或いは「英語の歌い方」についてのメソード開発等を経て、「1950~60年代のLounge Jazz」のピアノやボーカルのメソッドも体系化する事ができました。

四つのプロジェクトによる音楽振興

或いは、リビングスペースや提携カフェを使っての、ミニライブや自然農法食材によるお茶会等によるコミュニティ活動も行いつつ、外部の音楽家や、教室講師や生徒さんによる音楽発信をごく小規模ですが、始めました。

つきり単なるレンタルスペースやレッスンだけでなく、集まった人達や音楽教室メンバー、提携企業によって、細やかながら「音楽振興」を目指すようになりました。
その場合に「Kimball Piano Salon」が足かせにならないように、音楽志向別に「チャールストン俱楽部」「Lounge Jazz Moods」「Shizen」というプロジェクトや「日本リー・エバンス協会」という音楽教育研究会を設けました。


今後の発展

旧「AI Music Salon」から数えれば本年度で創業24年目となり、なるほど改装や機材の入れ替えも検討しつつありますが、その事よりも、今まで音楽教室業務や演奏業務の合間に散発的に行ってきた「音楽振興」事業を力を入れ、人材育成も含め、新たな展開を目指したいと思います。 以上 主宰 Kimball Piano Salon 主宰 藤井一成 Kimball Piano Salonホームページへ

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